睡眠異常

平常時と比較して睡眠時 間が短くなり、身体や精神に不調が現れる病気、それが不眠症です。
不眠症は、症状によって大きく下記の4種類に分けられます。
◎入眠障害
寝つきが悪く、なかなか眠れない症状を指します。寝つくのに30分~1時間以上かかる場合はこの入眠障害と定義されています。
◎中途覚醒
朝起きる時間までに、何度も目が覚める症状を指します。中高年に多くみられるようです。
◎早朝覚醒
朝早く目覚めてしまい、再度眠ることが出来ない症状を指します。
◎熟眠障害
十分に睡眠時間はとっているが、眠りが浅く、熟眠感が得られない症状を指します。

●不眠症の治療
不眠症の治療は薬物療法とともに非薬物療法を行います。不眠症治療の為に患者が受診する診療科としては、主に内科と精神科(心療内科・神経内科等)が挙げられます。精神科に対するイメージ的なものからか、まず内科医に受診し処方箋を出 してもらう患者が多く見受けられます。ただし、心理的要因が原因である場合には、実際には精神科医を受診した方が診察・カウンセリング・投薬治療などでより適切かつ効果的な処置を受けられることも多いのが実情です。また、精神科の医院・クリ ニックの中には不眠症専門外来を設けている所もあります。

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日中において場所や“状況を選ばず”起きる強い眠気の発作を主な症状とする脳疾患(睡眠障害)、それがナルコレプシーです。

ナルコレプシーは、脳(視床下部)の病気であり、適切な治療を病院で受け、少しずつ回復させていく必要があります。ナルコレプシーの発症期は主に15歳前後が多く、中学生・高校生の頃から非常な眠気を感じたらすぐに専門医師の診察を受けるべきです。診断には、血液検査・夜間ポリ グラフ検査(脳波測定)・昼間ポリグラフ検査(脳波測定)が行われ、1日程度の入院で検査ができます。

このナルコレプシーという病気の症状特性上、病気であること自体に患者本人が気がつく場合が少ないため、発症から確定診断までの平均期間が約15年と極めて長期になっています。こうした問題を解消するためにはナルコレプシーという病気の社会的認知度を上げ、早期に治療を開始することが重要なのです。

●ナルコレプシーの症状
ナルコレプシーには6つの症状があり、そのうち「睡眠発作」「情動脱力発作」「入眠時幻覚」「睡眠麻痺」は4大症状と呼ばれています。また、4大症状のうち、「情動脱力発作」「入眠時幻覚」「睡眠麻痺」の3つはレム睡眠と密接に関連しており、レム関連症状と呼ばれることがあります。

◎ 睡眠発作
日中、突然に耐え難い眠気に襲われるという発作を指します。
◎情動脱力発作
笑い、喜び、あるいは自尊心がくすぐられるなど感情が昂ぶった際、突然に抗重力筋が脱力するという発作を指します。倒れてしまう全身発作のほか、 膝の力が抜けてしまう、呂律がまわらなくなる、などの部分発作もあります。
◎入眠時幻覚
睡眠発作により睡眠に陥った際や夜間の入眠時に現実感の強い幻覚を見ることがあります。これは統合失調症などで見られる真性幻覚とは異なり、入眠直後にレム睡眠状態になるために非常に現実感を伴った夢をみている状態であると考えられています。
◎睡眠麻痺
いわゆる金縛りと呼ばれる症状を指します。開眼し意識はあるものの、随意筋を動かすことができない状態がこれにあたります。
◎自動症
眠った感覚がないにもかかわらず、直前に行った行為の記憶がない状態を指します。無意識に寝てしまい、寝ながら行為を続けている状態も同じです。
◎中途覚醒、熟睡困難
夜間就寝中に頻回に目が覚めたり、幻覚や睡眠麻痺があること、また、睡眠構築の乱れもあるため熟睡が困難な状態を指します。

●ナルコレプシーの治療
ナルコレプシーの治療では、中枢神経刺激薬を使用することで眠気を抑制します。現在はモディオダールという副作用の少ないナルコレプシー専用の治療薬が国内で承認され、最大2週間分まで処方が可能となっています。また、三環系抗うつ薬やSSRI、SNRIの服用により情動脱力発作や睡眠麻痺の頻度を低減させることが期待でき、4- Hydroxybutylate(GHB)も治療に使われることもあります。

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睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気、それが睡眠時無呼吸症候群です。睡眠時無呼吸症候群は下記の3つの種類に分類されます。
◎閉塞型睡眠時無呼吸症候群
上気道の閉塞によるもので呼吸運動がある場合はこれに該当します。肥満者は非肥満者の三倍以上のリスクがあるとされます。
◎中枢型睡眠時無呼吸症候群
呼吸中枢の障害により呼吸運動が消失する場合はこれに該当します。
◎混合型睡眠時無呼吸症候群
閉塞型と中枢型の混合した場合はこれに該当します。

●睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の症状には下記のようなものがあり、中には糖尿病との関連性があるものもあります。
◎昼間の耐えがたい眠気
◎抑うつ
◎頻回の中途覚醒
◎集中力の低下
◎睡眠時の呼吸の停止
◎大きな鼾(いびき)など
◎夜間頻尿 ※2型糖尿病になりやすくなります
◎起床時の頭痛
◎インポテンツ ※女性の場合は月経不順
◎のどが渇く
◎こむら返り
◎糖尿病性昏睡

●眠時無呼吸症候群の合併症
肥満、高血圧、高脂血症、不整脈、多血症、虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病など、眠時無呼吸症候群には様々な合併症があり、動脈硬化性疾患の危険因子といえます。

●睡眠時無呼吸症候群の治療
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の治療には下記のような療法があります。
◎減量療法
患者が肥満者の場合、減量により上気道周辺の脂肪の重さによる狭窄を改善します。
◎持続陽圧呼吸療法
鼻シーパップ、ネーザルシーパップ装置よりチューブを経由して鼻につけたマスクに加圧された空気(陽圧の空気)を送り、その空気が舌根の周囲の軟部組織 を拡張することで吸気時の気道狭窄を防ぐ療法です。
◎スリープスプリント(マウスピース)療法
スリープスプリント(マウスピース)を用いて下顎を前進させた状態を固定し、気道の狭窄を防ぐ療法です。
◎外科的治療(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)
口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除し、気道を広げる療法です。

中枢型眠時無呼吸症候群の治療には下記のような療法があります。
◎原因となる脳疾患、心疾患(虚血性心疾患など)などの治療。
◎在宅酸素療法。
◎BiPAP(バイパップ)療法が有効であるとの報告があります。

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慢性的な睡眠のタイミングに関する障害(概日リズム睡眠障害)のひとつとして特に有名なのが睡眠相後退症候群です。睡眠相後退症候群の患者は、 非常に遅い時間に眠りにつく傾向があり、朝起きることが困難です。
睡眠相後退症候群患者は、何時に床に就いても早朝まで眠ることができないが、毎日ほぼ同じ時間に眠ることができるという報告がされています。睡眠相後退症候群に加えて、睡眠時無呼吸症候群のような睡眠障害を持っていない限り、患者はよく眠ることができ、通常と同様の睡眠時間を必要とするようです。そのため、患者は数時間の睡眠しか取れないまま、学校や仕事に出かけるため起床しなければならないことに困難を感じるのです。しかし、彼らは自由な時間に眠ることが許されるのであれば、よく眠り、自然に目覚め、再び彼らにとっての”夜”(深夜〜早朝である場合が多いようです)が来るまで眠たいと感じないのです。
この症候群は通常、幼少期または思春期に発症し、思春期または成人期の始めになくなります。 睡眠相後退症候群は通常、治療できるが治癒はできないとされています。

睡眠相後退症候群の主要な特徴には下記のようなものがあります。
◎入眠と覚醒時刻が、望ましい時間帯より遅く、難治性。
◎入眠時刻が毎日ほぼ同じ。
◎一度眠り始めると、ほぼ問題なく睡眠を維持できる。
◎朝の望ましい時間帯に起床することが極端に困難である。
◎強制的に社会的慣習となっている睡眠・覚醒時刻に合わせて、睡眠相を早い時間帯に前進させることが比較的困難であるか全くできない 。

●睡眠相後退症候群の治療
睡眠相後退症候群の治療は特殊です。不眠症の治療とは違い、概日リズムの問題をつきとめると共に患者の眠る能力を見極めることが治療となるからです。
軽度の睡眠相後退症候群では、望ましい睡眠時刻になるまで、毎日15分ずつ寝起きする時間を早くなるように調節します。より重度な場合、患者は睡眠相後退症候群の治療を始める前に、一週間昼寝をせずに規則的に最も快適だと感じる時に眠って過ごすように指示されます。患者がよく休養を取った後に治療を開始することが大切なのです。

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