日中において場所や“状況を選ばず”起きる強い眠気の発作を主な症状とする脳疾患(睡眠障害)、それがナルコレプシーです。
ナルコレプシーは、脳(視床下部)の病気であり、適切な治療を病院で受け、少しずつ回復させていく必要があります。ナルコレプシーの発症期は主に15歳前後が多く、中学生・高校生の頃から非常な眠気を感じたらすぐに専門医師の診察を受けるべきです。診断には、血液検査・夜間ポリ グラフ検査(脳波測定)・昼間ポリグラフ検査(脳波測定)が行われ、1日程度の入院で検査ができます。
このナルコレプシーという病気の症状特性上、病気であること自体に患者本人が気がつく場合が少ないため、発症から確定診断までの平均期間が約15年と極めて長期になっています。こうした問題を解消するためにはナルコレプシーという病気の社会的認知度を上げ、早期に治療を開始することが重要なのです。
●ナルコレプシーの症状
ナルコレプシーには6つの症状があり、そのうち「睡眠発作」「情動脱力発作」「入眠時幻覚」「睡眠麻痺」は4大症状と呼ばれています。また、4大症状のうち、「情動脱力発作」「入眠時幻覚」「睡眠麻痺」の3つはレム睡眠と密接に関連しており、レム関連症状と呼ばれることがあります。
◎ 睡眠発作
日中、突然に耐え難い眠気に襲われるという発作を指します。
◎情動脱力発作
笑い、喜び、あるいは自尊心がくすぐられるなど感情が昂ぶった際、突然に抗重力筋が脱力するという発作を指します。倒れてしまう全身発作のほか、 膝の力が抜けてしまう、呂律がまわらなくなる、などの部分発作もあります。
◎入眠時幻覚
睡眠発作により睡眠に陥った際や夜間の入眠時に現実感の強い幻覚を見ることがあります。これは統合失調症などで見られる真性幻覚とは異なり、入眠直後にレム睡眠状態になるために非常に現実感を伴った夢をみている状態であると考えられています。
◎睡眠麻痺
いわゆる金縛りと呼ばれる症状を指します。開眼し意識はあるものの、随意筋を動かすことができない状態がこれにあたります。
◎自動症
眠った感覚がないにもかかわらず、直前に行った行為の記憶がない状態を指します。無意識に寝てしまい、寝ながら行為を続けている状態も同じです。
◎中途覚醒、熟睡困難
夜間就寝中に頻回に目が覚めたり、幻覚や睡眠麻痺があること、また、睡眠構築の乱れもあるため熟睡が困難な状態を指します。
●ナルコレプシーの治療
ナルコレプシーの治療では、中枢神経刺激薬を使用することで眠気を抑制します。現在はモディオダールという副作用の少ないナルコレプシー専用の治療薬が国内で承認され、最大2週間分まで処方が可能となっています。また、三環系抗うつ薬やSSRI、SNRIの服用により情動脱力発作や睡眠麻痺の頻度を低減させることが期待でき、4- Hydroxybutylate(GHB)も治療に使われることもあります。
