夜尿症とは、5、6歳を過ぎても継続的に睡眠中に無意識に排尿してしまう行為が認められる状況を指します。遺尿症とも呼ばれています。5、6歳に達していない場合や継続的でない場合は、寝小便、あるいはおねしょと呼びます。
夜尿症は、身体の発達及びホルモン分泌が密接に関わっているため、加齢とともに自然に治癒するケースが多いようです。5、6歳児では約20%で夜尿症がみられるが、加齢とともに解消が進み、小学校低学年では約10%、小学校高学年では約5%になります。男女別では、児童・学童では男子の方が多く、成人では女性の方に夜尿が多いとされ、遺伝する傾向も指摘されています。
その他、遺伝との関連も指摘されています。日本では成長によって自然に症状が治まるのを待つ場合が多いのに対して、米国や欧州では、病気の研究や、クリ ニックでの治療が行われています。
■夜尿症の治療
夜尿症の治療は生活指導が主ですが、それでも治らない場合は、夜尿アラームによる行動療法を行います。
生活指導では、まず親の心構えが重要になります。自分の意思とは関係無く夜尿をするため、本人に非はありません。それでも落ち込んだりコンプレックスを持ったりするため、叱ったりせず、家族でサポートすること が重要なのです。以前は特に根拠もなく、「起こさず・あせらず・怒らず」の3原則が基本とされ、夜中に起こして排尿させる事は、睡眠のリズムが狂い、睡眠依存性をもつ抗利尿ホルモンの分泌量が不安定になり、治療が難しくなるとされてきました。しかしながら、夜中に起こすと抗利尿ホルモンの分泌量が不安定になることを実証した研究は存在しないため、「起こさず」というのは根拠がないのが現状です。
生活指導として尿の我慢のさせ方(膀胱のトレーニング)や、水分の取り方の調整をトレーニングします。ただし、尿の我慢のさせ方はやり方を間違えると腎盂腎 炎など尿路感染症を引き起こす恐れもあるため、注意が必要です。
国際小児禁制学会では、夜尿アラームと抗利尿ホルモン製剤による治療が最も推奨されています。日本では薬でコントロールされることが多いのですが、投与を中止すると再発しやす く、夜尿症が本当に薬で治せるのかどうかは議論がわかれています。


